還り着く場所


いつになるかはわかりませんが

私は遠い海へと 還る気がするのです

そこは深く青い空を映して

いつ終わるとも知れない

永遠の鏡のような世界なのです



決して今が幸せでない、というわけではなく

また、私が地の底に落ちるような悪人とも思えません

でも

いいえ だから

私の還る所は海なのです

風舞う空へと昇ることもなく

風を羨み 空を仰ぎ見る

そんな海であるような気がするのです



海が映した空は それはもう綺麗で

いつまでもいつまでも 憧れていられます

でも 空へ昇ってしまったら

私は孤独に押し潰されてしまうでしょう

羽根を休めることもできない自由に

すべてを捨ててでも 消えてしまいたくなるでしょう



だから良いのです

私はいつか海へと還るのでしょう

幼く楽しい幻を

小さな胸に抱き締めて



(C) 2008 Yuuhi