姫君



息が苦しすぎて もうこの街じゃ

生きていけないと 最終通知が

体中に突きつけられて もう動けない

そんな日々 何度も繰り返している




大人よりも子供 子供よりも胎児

昔いた世界を懐かしんで

現世に浮かぶ自分の魂 捜す

虚しい旅に出る



時空を超える魔法が欲しい

地位と履歴に知性上乗せして 引き換えに



嘲笑われても もう気にしない

プライド高く 顔を上げたなら

ずっと綺麗なまま生きて もう穢れない

誰にも奪えない力 抱き締めて



守られるようじゃダメ 強くなる

格好いいお姫様になりたい

終われない夢を見つめて 走り出す

闘いの証に 足跡つけて




笑えないジョークに 唇を歪めて

最高の無駄遣い 時間の浪費

このままでいいわけがないじゃない

焦りの足音 聞こえる



窮屈な場所 壁を壊して

御伽話の城を撃ち破る



寂しさの意味は もうこだわらない

鮮やかに微笑めば 怖くない

解放の呪文を口ずさめば良い

“逃げない 負けない 媚びない 挫けない”



有効に使えば この手は強い

最強のお姫様になりたい

赤々と燃え上がる空を目指して

道標をつける 遠いゴールへと





被害妄想で泣き寝入りより

宇宙の果てまで 支配してみたい



嵐と見紛うほどに 荒れた世界

何にでもなれる そんな気がするから

諦めるとか 卑怯な真似はやめて

不思議の国をこの手に掴み取る



手に入れられないものは 何もない

自分らしいお姫様になりたい

香り高いお茶を楽しむように

忘れたくないものは いつもすぐ傍にある


(C) 2009 Yuuhi