仮面


この目はただのガラス玉

何も見抜けない 役立たず

いつも嘘ばかり 塗り固めて

明日 笑えるかな?




曖昧な笑顔のストック もう品切れ

今の自分を捨てられる日を 夢に見る

嫌いになりたくなかった 誰も 自分も

好きでいたかった 本気で



この目はただのガラス玉

何も見抜けない 役立たず

本当の気持ちは どこにあるのだろう

今日も笑えない



せめて一瞬だけでも 笑えるならば……



壊して 崩して 投げ捨てて すべて

夜が明けるまで 騒いで

許せるならば もう何も欲しくないと感じさせてよ



悔やんで 嘆いて 泣き叫んだ声が朝靄になって

惨めなガラスを作る

透明にはなれない 凍り付いた心

偽りの笑顔で 冷たい視線を注ぐ




この口が放つ言葉さえ

信じられなくて 偽りで

誤魔化してばかり その報いなのか

いつか 笑えるかな?



弱い気持ちのままじゃ 抗えないから



破いて 燃やして 消し去って すべて

灰の欠片から 生まれて

強くなりたい

誰かのせいにしない 生き方がいい



歪めて 貶して 自分を嘲笑う

道化師のように 独りで

泣きながら笑う術ばかり おぼえて

何処に行けるの?

偽りの笑顔より 本当は泣きたい




だけど今を消せるほど 力がないから



沈めて 流して 葬ってしまえと

無責任なまま焚き付ける声 振り切り

雨の中 戻って行く

飛び立てる日まで



直して 築いて ひび割れた笑顔が甦る頃に

朝日は昇る 静かに

矛盾だらけの世界 踊り続けている

偽りの笑顔で

曇ったガラスの瞳で



(C) 2010 Yuuhi