闇の唄


街へ向かうのに 何故か

戸惑う日が続く

孤独でも平気な横顔は

本当は 寂しくて



充実できない毎日は 光の当たらない残酷な坂

昇れずにもがく者ならば 味わえる世界は

すぐ側にある



全てに背を向けた 扉には鍵をかけた

自分を尊ぶことも忘れ

何も見えないから 何も聞こえないから

ただ静かに眠る 目覚められるまで




反省よりも後悔

進歩しないままで

他人の意思を 言い訳にして

足踏みしてばかり


良い子の仮面を貼り付けて 嘘で厚塗りの堕ちた道化師

心から欲しい物なんて わからない

自由の意味を履き違えていた


探しても捜しても 安息は有り得ない

凍えても 自分で温める

昔を恨んだって 変わることはできない

ただ無垢に眠る 甦れるように




憂えた時間の長さ いつか道を示す

褪せ逝く痛みさえ 愛しい

息をする限りは 迷路は終わらないから

ただ今は眠る この闇夜に




優等生の空気を棄て 乾いた唇に毒を塗って

顔を上げて 遥かな先に視線を突き刺す


自分を誇れるように



(C) 2009 Yuuhi