黄道十二宮都市シリーズ

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  2 黄道十二星座と物語  

 それでは、黄道十二星座と物語をご紹介しましょう。

やぎ座   みずがめ座

☆標記は次の通りです。

 星座名 星座名ラテン語〔読み方〕 ― 黄道十二宮(該当誕生日)
   ※ 拙作では〔 〕内のラテン語(ローマ字)読み準拠です。

やぎ座 Capricornus〔カプリコルヌス〕 ― 磨羯宮(12/22〜1/20)

 秋の星座で、よく見えるのは9月頃です。いびつな三角形を形作っていて、特徴的ではあるのですが、目立つ星のある星座ではないので見つけにくいです。これのどこが山羊?と、首を傾げたくなります。
 
 このやぎ座は牧神パーンが変身に失敗した時の姿です。
 神々が川辺で宴会をしていると、怪物ティフォーンが襲い掛かってきました。神々は大慌てで逃げ出します。パーンも魚になって川に飛び込もうとしましたが、あまりに慌てていたので大失敗。上半身は山羊、下半身は魚という珍妙な姿に変身してしまいました。
 これを見た最高神ゼウスが面白がって、その姿を星座に上げたそうです。パーンには不名誉な話です。

 平素のパーンは上半身が人間、下半身が山羊で、山羊のような耳や角、毛むくじゃらの髭を持っているそうです。いたずら好きな神様で、女性にも目がないとか。天上界ではなく下界の洞窟に住み、美しいニンフ(妖精)を追い回す毎日を過ごしていたそうな。
 ある日、シュリンクスという水のニンフに目を付けて追い駆けたところ、捕まりそうになったシュリンクスは川に飛び込み、葦に変化(へんげ)してしまいました。悲しんだパーンが掴んだ葦の葉を束ねた笛を作り、彼女を偲んで吹いたのが葦笛です。
 拙作「始まりは何度でもある」では、楽士として生計を立てるセディが、商売道具である葦笛を常に携帯しています。

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みずがめ座 Aquarius〔アクアリウス〕 ― 宝瓶宮(1/21〜2/20)

 目立ちません。見つけられません。見たことありません。

 ギリシャ神話では全能神ゼウスが誘拐した美少年ガニュメデスが水瓶を持つ姿とされています。
 何故誘拐されたのかと言うと、天上界での宴会で給仕をしていた青春の女神へべ(ゼウスの娘)が結婚してしまったので、替わりとして目を付けられたのがガニュメディスだったそうな。
 給仕役をするために、ガニュメディスには不老不死の力が与えられました。うーん、いいのか、悪いのか……

 なんで水瓶を持っているのかと言うと、この中に神々が飲むお酒(ネクタルというらしい)が入っていて、ここから杯に注いでいるのだそうです。
 でも星座では、水瓶から流れた水はエリダヌス川(エリダヌス座)となります。拙作の十二宮流もアクアリウスから流れ出ていて、このモデルはエリダヌス座ですが、エリダヌス座(川)は黄道の辺りではなく、日本では見られない空に流れています。
 また、ガニュメディスをさらった時にゼウスが大鷲に化けた姿はわし座Aquira〔アクイラ〕となっています。と言うわけで、拙作ではアクアリウスとアクイラは仲良しの同盟国としています。いつかこの設定も使いたいです。

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