月と太陽のめぐり

7 月と太陽のめぐり


 セレネは独りで立ち尽くしていた。
 アルテミスは幸せだろうか。アポロンと一緒にいるだろうか。願わくは、誰よりも幸せであって欲しい。
 胸に響くのは、彼らの優しい声。それだけで心は満たされる。その思い出だけで。
 街の中、見えない銀の光をまとい、歩き出す。
 自分にできることは一つだけ。
 ただ、祈ろう。
 銀に輝く足跡。それは永遠に続いた。
 月と太陽のめぐりの如く、どこまでも……
 どこまでも……

   あなたが幸せでありますように
   いつも 月と太陽がめぐりますように
   明日もきっと 晴れますように

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