優しい嘘

― 有間皇子を想う ―


中途半端な優しさはいらない


守れない約束なんていらない



味方のふりで誤魔化さないで


淡い期待を抱かせないで


どうせ裏切るのなら 放っておいて



嘘でいい


真っ赤な嘘でいい


嘲笑うしかできないくらい


愚かな嘘で抱き締めて


(C) 2008 Yuuhi


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信じれば、裏切られて、そして傷付く。
だから、誰も信じない。
信じられない。

寂しい。
でも、傷付きたくない。


そんな孤独な日々を送っていた有間皇子。
時には慰められ、その優しさを信じたくなった時もあったでしょう。

でも、それは無力な慰め。うわべだけの優しさ。

中途半端な優しさは、中途半端な親切や同情は、
人をめちゃくちゃに傷つける。

だから、優しい嘘を吐いて欲しい。
有り得ないホラ話を真剣に語って欲しい。


有間皇子が蘇我赤兄を信用し、命を捨てた理由は、
そんな優しい嘘を吐いてくれたことへの、
自分に対して真剣に向き合ってくれたことへの
返礼だったのかもしれません。


参考:魔女ノ安息地>歴史街道>古代史>
シリーズ考察 中臣鎌足>E生きるための法則 有間皇子